今月の名言
「この世の列外にいることに気づいた時安らぎを感じた」
BY 山田風太郎
2002年03月 |
彼の言うところの「列外」というのは、典型的に良いとされる人生の線路から外れたことを意味しているのではないかと思います。
第2次世界大戦当時、お国のために戦争に行くことは正しいと評価されていました。逆に家で引きこもっている男児は劣等性であり、体が弱く徴兵にされなかった山田風太郎は、それこそまさに「列外」だったと言います。
現代で言えば、例えば実力がなくて学校にいけない・働き口が無いと言ったものがそれに当たるのではないでしょうか?とは言っても、今は多様化の時代とも言われているので、それは私の単なる偏見かもしれませんが。。。
ただ彼は、このような「列外」に身を置いた時、ふと安堵感を感じたと言います。
たしかにいい人生を歩みたい、人から尊敬されたいと言う願望は誰しも持つことでしょう。しかもそれは「持つ」というよりも、おいしいご飯が食べたいとか、たっぷり睡眠がとりたいと言った「本能的なもの」の延長にあるような気がします。
本能ですから、誰しもそれに自然と従わなければなりません。ただ、この従うと言うことは自分自身に「〜ねばならない」と言った一種の拘束を科すことになると思います。その本能
から開放された時には、もしかしたら彼の言うように安堵感が広がるのかもしれません。
結局、私がこの名言から感じ取ったものは、本能と願望とそのための拘束との生活から、少しは本能から解き放たれた「列外」に気を置くのも自分のためになるのではないかなということでした。
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